公認会計士になるための最後の関門。
修了考査。
そんな修了考査にもし落ちてしまったらどうなるのか、について書きたいと思います。
昨今難易度が上がり続けていると噂の修了考査。
実際に修了考査の合格率は年々減少傾向にあります。
年度 | 合格率 |
2019 | 48.8% |
2018 | 56.1% |
2017 | 69.3% |
2016 | 69.6% |
もし修了考査に落ちてしまったら、どんなことが起きるのでしょうか。
昇格にはほぼ影響なし
多くの公認会計士試験合格者は監査法人に在籍しています。
監査法人に入社するとスタッフから始まり、入社4年目にシニアに昇格します。
シニアに昇格すると任される仕事の幅が広がり、給料も上がります。
ただ誰でもシニアに上がれるわけではありません。
同年代のうち、約10%がシニアに上がることができません。
修了考査に合格していないとシニアに上がれないのでしょうか。
実はそんなことはありません。
多くの監査法人では修了考査に合格することがシニアに昇格するための要件として設定していません。
そのため、例え修了考査に受からなくても日々の仕事でパフォーマンスを出していればシニアに昇格することができます。
試験休暇の日数が減る
監査法人に勤めていると修了考査の試験勉強のために2週間の試験休暇が付与されます。
そのため、公認会計士試験登録までは監査法人にいた方がかなりおいしいです。
そんな試験休暇も残念ながら修了考査に落ちてしまうと翌年度の修了考査で取得できる試験休暇日数が減少します。
もし一度落ちてしまうと試験休暇は1週間に減ります。
さらにもう一度落ちてしまうと試験休暇は3日に減ります。
考えようによっては、試験に落ちてもなお1週間の試験休暇がもらえるならばとてもおいしい環境にいます。
もし一般事業会社に勤めている場合、試験休暇をそもそももらえることがほとんどないでしょう。
予備校の費用が自費負担
こちらも監査法人優遇措置です。
監査法人に勤めていれば、修了考査対策の予備校の講座費用を監査法人が負担してくれます。
ただこちらは一度目の試験だけであり、二度目以降は自費となります。
一般事業会社に勤めているならば会社負担ということは基本的にはないので、監査法人のおいしい制度の一つです。
予備校費用は約20万円程なので、監査法人がいかに恵まれているかが分かりますね。
法人内で噂が広まる
監査法人は噂が大好きな人が多いです。
残念ながら修了考査に落ちるとすぐ法人内に広まります。
広まる経緯の多くは修了考査の合格者一覧からです。
修了考査の合格者一覧はオンライン上で実名公表されるためです。
修了考査の合格発表日は繁忙期と重なることが多いのですが、それでも噂好きの公認会計士たちは合格者一覧が公表されるや否や知り合いの名前を検索します。
もし晒し者になることを避けたいならば、受験申込時に「実名公表を希望しない」を選択をすることをオススメします。
ただ本当にねちっこい人は仕事のアサイン状況から試験休暇の付与状況を見て修了考査の合否を確認する人までいるので、この場合はどうやっても防げません。
ちなみに考査の点数や講義の単位数が足りずにそもそも修了考査を受験できない場合は、試験休暇や予備校の費用負担に影響はありません。
いずれも初めて修了考査を受験する時に適用されるからです。
修了考査対策
過去に修了考査対策の記事を書いていますので興味がある方はご覧ください。
いかがでしょうか。
例え修了考査に落ちたとしても大きな影響はありません。
なので、修了考査の合否発表までは不安に思わず過ごした方が時間を有意義に使えるでしょう。