修了考査の答練をやっていると、タックスプルーフの問題が出たりします。
税効果が苦手で、実務でも税金を担当していなかったので、「おいおい、なんだこれ」みたいな感じで当然解けずに解説DVDを見てみました。
すると講師が「皆さんは既に実務でやられているから特段解説不要ですよね」
っておい!
何のための解説だよっ!!!
ってブチ切れた記憶があります。
そこで、今回はタックスプルーフについて、簡単に解説したいと思います。
理屈がわかれば、簡単だけど、税金ってだけで苦手意識を持ちやすいと思うので、その辺の理解が進めば幸いです。
タックスプルーフ
手続
法定実行税率と法人税等負担率の差異が合理的であるかを検証する
それでは、具体例を交えて見てみましょう:
具体例①~一致する場合~
ある会社が下記条件の場合における法定実行税率と法人税等負担率の関係を見てみましょう
税引前利益:1,000
賞与引当金:100 *期末に計上しており、唯一の法人税の加算調整
法定実行税率:30%
税効果の目的の一つとして、一時差異を適切に期間配分することによって、税引前当期純利益と法人税等を合理的に対応させることがあります。
今回はこの税効果の目的を達成できたため、差異が発生しておりません。
よって、この場合、法定実行税率と法人税負担率に差異がなく、特段の検証は不要ですね。
それでは、差異が発生した場合はどうなるでしょうか。
具体例②~一致しない場合~
ある会社が下記条件の場合における法定実行税率と法人税等負担率の関係を見てみましょう
税引前利益:1,000
交際費:100 *唯一の法人税の加算調整
法定実行税率:30%
この場合、法定実行税率と法人税負担率に差異があります。
そのため、差異理由を特定する必要があります。
この場合のタックスプルーフはどうなるでしょうか。タックスプルーフの目的とともに見てみましょう。
一致しなかった場合のタックスプルーフ例
上記例では、法定実行税率30%と会社が計算した法人税等負担率33%の間に3%の差異が発生しています。
この差異を理由を検証するのがタックスプルーフです。
今回が交際費に掛かる項目が3%の差異理由でした。
数値だとよりイメージしやすいので、数値で先にイメージしてから税率では、どのようにインパクトするのかを検証するとより理解がしやすいと思います。
ざっくりいうと
1) 税引前利益×法定実行税率 = 推定されるPLにインパクトを与える税金
2) 法人税等+法人税等調整額 = 会社が計算してPLにインパクトを与えている税金
計算した1)と2)を比較してその差異理由が妥当か確認することがタックスプルーフ
*この考え方を税率で考えるのはよくあるタックスプルーフ
ポイント
・1)と2)との差額は基本的には永久差異とか利益に連動しない税金となる
・税効果会計の対象となる一時差異は税額と法人税等調整額の両方に計上されているため、タックスプルーフではインパクトを与えない
つまり、税額では課税所得を押し上げる(押し下げ)一方、一時差異が税効果の対象のため、繰延税金資産(負債)が計上されるため、その分法人税等調整額がマイナス(プラス)として計上されるため、2)を計算しているなかでは相殺されることとなる。